インデックス投資の魅力~押さえるべき3つのポイントとは?~ インデックス投資の魅力~押さえるべき3つのポイントとは?~

公開日:2021年11月1日

更新日:2021年11月1日

広がりをみせるインデックス
ファンドとその理由

ETFを除いた国内の全投資信託(ファンド)の資産総額に占めるインデックスファンドの割合は、近年、特に高まりつつあります。2021年8月末現在で、その比率は20.4%、2011年8月末には8.2%だったことを考えると、10年でその割合は約2倍になりました。

インデックスファンドの比率

※全ファンド(ETF除く)の純資産残高に占めるインデックスファンドの純資産残高

※期間:2011年8月末~2021年8月末

アクティブファンドとインデックスファンド別
純資金流出入額の推移

※国内公募追加型株式投信(ETF除く)を対象に暦年の純資金流出入額を集計

※期間:2010年~2021年(2021年は8月末まで)

一方、ファンドの購入と解約(売却)の金額差の推移からも、インデックスファンド人気は明らかで、2018年以降は、インデックスファンドの資金流入超過(購入のほうが解約よりも多い状態)がずっと続いています。またファンド数ではアクティブファンドのほうが圧倒的に多いのにも関わらず、2020年以降インデックスファンドはアクティブファンドと同等の資金流出入額になっているのです。

なぜ、それほどまでにインデックスファンドの人気が高まっているのでしょうか?

インデックスファンドには年々安定的に資金流入がある

このようなインデックスファンド人気の理由の1つと考えられるのが金融制度の改正です。2017年1月から個人型確定拠出年金(iDeCo)に、公務員や第3号被保険者(専業主婦・夫)まで加入が可能となり、国民の自助努力による年金の形成手段になりました。

また、2018年1月からは、20年間収益非課税の積立投資制度「つみたてNISA」がスタートしました。「iDeCo」も「つみたてNISA」も、主に投資信託を使って資産を作る制度ですが、この2つの制度の対象として、インデックスファンドが大きく取り上げられています。つまり、金融制度の改正によって、インデックスファンドの利用が促されたともいえるでしょう。

「信託報酬」の差に注目

最近は「信託報酬の低いファンドが良い、選べ」とお聞きになる方も多いと思いますが、実際に選ぶときは何を基準に選べばよいでしょうか。

インデックスファンドとは、「日経平均株価」や「NYダウ」など、一定のルールに基づいて機械的に算出される指数(インデックス)と同じ値動きをめざして、運用会社が運用するファンドです。これだけを聞くと、同じように日経平均株価に連動するインデックスファンドが複数ある中、どれを買っても結果は同じだと感じられるかもしれませんが、実は「信託報酬」に違いがあります。

日経平均株価に連動するインデックスファンドの中で、2021年10月6日現在、最も信託報酬が低いのは、「PayPay投信 日経225インデックス」で年0.143%(税込)です。最も高いファンドでは年0.88%(税込)になるため、その差は、なんと6倍以上です。

たとえば、10年間運用したとすると、「PayPay投信 日経225インデックス」の信託報酬は累計で1.43%ですが、一番高いファンドでは8.8%にもなります。投資金額が100万円 (価格が変動しない)とすると、信託報酬の累計は1万4300円と8万8000円になります。インデックスファンドに投資する際には、どの株価指数に連動するファンドか、ということをしっかり確認し、同一の指数連動ファンドの中でも、信託報酬が低いファンドを比較することが重要です。

積立なのか? 一括なのか?

株価指数に連動するインデックスファンドは、株式市場の動きを表しているため、株式と同じ価格変動リスクがあります。この価格変動のリスクを緩和する方法として、「分散投資」や「長期投資」が良いといわれています。インデックスファンドへの投資は、個別銘柄への投資のように「その企業特有の事情」に左右されることがないため、毎月一定額を長期にわたって投資し続けることによって、株価の大きな下落によるマイナスを小さくし、逆に、チャンスに変えることもできるのです。

わかりやすい例として、「100年に1度の大暴落」といわれた2008年の「リーマン・ショック(世界金融危機)」以前から積立投資を継続したケースと、一括で購入をしたケースを比較して考えてみましょう。

当時、年初までは株式市場は値上がりを続けていたため、株式投資を始めようと考える方も多くいました。しかし、2008年9月15日に米国の大手金融機関リーマン・ブラザーズが経営破たんして、世界中の株式や債券の価格が急落しました。

そのため、2008年の1月に、一括で100万円を日経平均株価に連動するインデックスファンドに投資していた場合、株価の下落により、投資を開始して1年後の2009年2月には、評価額が56万円と、ほぼ半値になってしまったことになります。

一方で、2008年1月から毎月1万円ずつをインデックスファンドで積立投資していたとしたらどうでしょう。2009年2月までに投資した資金は14万円で、その評価額は9万7000円です。投資元本に対する損失率は30%に達していますが、ほぼ半値になってしまった一括の場合ほどダメージを感じないのではないでしょうか。

日経平均株価連動型インデックスファンドの積立投資効果

*青線はモーニングスターインデックス日経225連動型、類似ファンド分類の単純平均。2008年1月末=100

※期間:2008年1月末~2021年8月末(月次データ)
※上記のグラフはあくまでも過去のデータを用いた検証結果であり、将来のパフォーマンスを示唆または保証するものではありません。運用管理費用、税金、手数料等を考慮しておりませんので、投資家の皆様の実際の投資成果とは異なります。

しかも、積立投資の場合、2009年7月には投資評価額が投資元本と等しくなっています。また、投資元本を回復するのが、投資開始から5年以上経過した2013年4月であった一括投資の場合と比較しても、積立投資は、かなり早く回復できたことになります。さらに投資開始から10年目の2017年12月には、投資元本120万円に対して評価額は238万円で、元本の1.98倍になります。そして、2021年8月末まで164カ月間を積立投資した場合、評価額は367万円で、元本の2.24倍になりました。積立投資は、株価の下落時のダメージが小さく、安定的に資金を増やす効果が確認できました。

インデックス投資のなかで分散投資も

最後に、インデックスの違いによる投資効果の違いについて見ていきましょう。たとえば、アメリカ株式を代表するインデックスである「NYダウ」と「S&P500」、そして、「NASDAQ100」の違いについて見てみます。3つのインデックスは、投資対象とする株式も、また、インデックスの算出方法も異なります。(詳細については、特設ページでご確認ください。徹底比較!米国株式インデックスならどれ?

インデックスの算出方法が違うと、時々の経済環境等によって各インデックスの値動きは大きく異なります。たとえば、「リーマン・ショック」後の約12年間の推移を見ると、「NASDAQ100」が圧倒的に高いパフォーマンスを上げています。米国のテクノロジー企業の成長力が高く評価されたのが、過去12年間余りの株式市場だったということを表しています。

リーマン・ショック後の約12年間の推移

※2009年2月末=100

※期間:2009年2月末~2021年2月末(月次データ)、配当なし、米ドルベース
※上記のグラフはあくまでも過去のデータを用いた検証結果であり、将来のパフォーマンスを示唆または保証するものではありません。運用管理費用、税金、手数料等を考慮しておりませんので、投資家の皆様の実際の投資成果とは異なります。

一方、「ITバブル」と言われた2000年のピークからの20年余りを振り返ってみると、「NYダウ」の好パフォーマンスが目立ちます。「コロナ・ショック」といわれる2020年3月の急落相場の後は、「NYダウ」は「NASDAQ100」の急上昇に置いて行かれますが、それまでは3つのインデックスの中で、最も良いパフォーマンスを上げていました。反対に、「NASDAQ100」は、「ITバブル」崩壊の影響が大きな痛手であったため、約15年間にわたって、運用成績の悪い時期を経験しています。

ITバブル前から約20年間の推移

※1999年12月末=100

※期間:1999年12月末~2020年12月末(月次データ)、配当なし、米ドルベース
※上記のグラフはあくまでも過去のデータを用いた検証結果であり、将来のパフォーマンスを示唆または保証するものではありません。運用管理費用、税金、手数料等を考慮しておりませんので、投資家の皆様の実際の投資成果とは異なります。

このように、その時々の経済環境等が、各インデックスの値動きに大きな影響を与えるため、どのインデックスが良い成績になるのかは、なかなか事前に予測できるものではありません。投資のリスクを抑えるためには、各インデックスの特徴、各市場の特徴を理解して、異なるリスクの性格がある資産に分散投資することが有効です。

また、この考え方を広げれば、アメリカ株式のインデックスである「NYダウ」と日本株式インデックスの「日経平均株価」に同時に投資するという選択肢もあります。ここ数年の株価上昇によって、アメリカ株式には「割高感」が指摘され、出遅れている日本株式には「割安感」があるといわれています。

インデックスファンドへの投資の応用編として、インデックスファンドの分散投資もご検討ください。幅広い組み合わせが可能で、様々なパターンが考えられます。

3つのポイントまとめ

  • ・同一指数に連動するインデックスファンド間の「信託報酬」の差に注目しよう!
  • ・長期分散投資をすることで価格変動リスクを低減し、効率よく積立が可能になる!
  • ・複数のインデックスファンドの組み合わせで分散投資をしよう!

関連ファンドのご紹介

グラフはモーニングスター作成。なお指数の表記については、NASDAQ100指数を「NASDAQ100」、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価を「NYダウ」、S&P500種株価指数を「S&P500」と記載をしています。